最近の円安・原油高の影響で、株価が下落しているなど投資チャンスがあるところを探している方も多いと思います。
私がふと思ったのが、日本の電力会社。
火力発電の割合が多いので(2020年時点で約7〜8割)、円安・原油高の影響が大きいのではないか。
※大手電力各社は、政府の制度により、原油などの燃料費の上昇分を電気料金に転嫁することが認められているが、料金への転嫁は数か月後になるため、その間、業績が押し下げられる(しかも、設定した基準燃料価格の1・5倍までしか料金に反映できず、超過分は電力会社が負担する仕組み)。
今日は、全国に10つある主な電力会社の状況、私が考える良さそうな投資先(九州電力)についてお話しします。
各電力会社の概要〜発電方法、株価の推移、PER、PBR、配当利回り〜
電力会社と言えば、2011年の東日本大震災における原子力発電所の事故までは優良な安定配当株として知られていました。
事故以来、日本各地で原子力発電所の多くが廃止や停止になり、電力会社の経営が悪化。
現在の電力会社(全国に10つある主な電力会社)の状況がどうなっているのか調べてみました。
東京電力ホールディングス
まずは東京電力ホールディングス(銘柄コード9501)。
電源構成はこちら(2020年)。
2022年4月2日時点で、稼働している原子力発電所はありません。
柏崎刈羽原子力発電所(1〜7号機)停止中(定期検査中)、福島第一原子力発電所(1〜6号機)廃止、福島第二原子力発電所(1〜4号機)廃止措置中。
株価の推移はこちら。
・PER・・・−−−倍
・PBR・・・0.2倍
・配当利回り・・・0%(2011年より無配)
※数値は2022年4月2日時点
関西電力
次は、関西電力(銘柄コード9503)。
電源構成はこちら(2020年)。
電源構成における原子力の割合は13.4%。
2022年4月2日時点で、稼働している原子力発電所は、大飯発電所(3号機)、高浜発電所(4号機)のみ。
美浜発電所(1〜3号機)1、2号機は廃止措置中で3号機は停止中(定期検査中)、大飯発電所(1〜2号機、4号機)1〜2号機は廃止措置中で4号機は停止中(定期検査中)、高浜発電所(1〜3号機)停止中(定期検査中)。
株価の推移はこちら。
・PER・・・15.76倍
・PBR・・・0.61倍
・配当利回り・・・4.36%(1株配当50円)
※数値は、2022年4月2日時点
中部電力
次は、中部電力(銘柄コード9502)。
電源構成はこちら(2020年)。
2022年4月2日時点で、稼働している原子力発電所は、なし。
浜岡原子力発電所(1〜5号機)1、2号機は廃止措置中で3、4、5号機は停止中(定期検査中)。
株価の推移はこちら。
・PER・・・−−−倍
・PBR・・・0.47倍
・配当利回り・・・3.95%(1株配当50円)
※数値は、2022年4月2日時点
中国電力
次は、中国電力(銘柄コード9504)。
電源構成はこちら(2020年)。
2022年4月2日時点で、稼働している原子力発電所は、なし。
島根原子力発電所(1〜2号機)1号機は廃止措置中で2号機は停止中(定期検査中)。
株価の推移はこちら。
・PER・・・−−−倍
・PBR・・・0.49倍
・配当利回り・・・4.68%(1株配当40円)
※数値は、2022年4月2日時点
九州電力
次は、九州電力(銘柄コード9508)
電源構成はこちら(2020年)。
2022年4月2日時点で、稼働している原子力発電所は、玄海原子力発電所(4号機)、川内原子力発電所(1号機)のみ。
玄海原子力発電所(1〜3号機)1、2号は廃止措置中で3号機は停止中(定期検査中)、川内原子力発電所(2号機)は停止中(定期検査中)。
株価の推移はこちら。
・PER・・・15.6倍
・PBR・・・0.58倍
・配当利回り・・・4.85%(1株配当40円)
※数値は、2022年4月2日時点
北海道電力
次は、北海道電力(銘柄コード9509)。
電源構成はこちら(2020年)。
2022年4月2日時点で、稼働している原子力発電所は、なし。
泊発電所(1〜3号機)は停止中(定期検査中)。
株価の推移はこちら。
・PER・・・14.26倍
・PBR・・・0.36倍
・配当利回り・・・4.12%(1株配当20円)
※数値は、2022年4月2日時点
東北電力
次は、東北電力(銘柄コード9506)
電源構成はこちら(2020年)。
2022年4月2日時点で、稼働している原子力発電所は、なし。
東通原子力発電所(1号機)は停止中(定期検査中)、女川原子力発電所(1〜3号機)は1号機が廃止措置中で2、3号機が停止中(定期検査中)。
株価の推移はこちら。
・PER・・・−−−倍
・PBR・・・0.45倍
・配当利回り・・・4.85%(1株配当35円)
※数値は、2022年4月2日時点
北陸電力
次は、北陸電力(銘柄コード9505)。
電源構成はこちら(2020年)。
2022年4月2日時点で、稼働している原子力発電所は、なし。
志賀原子力発電所(1〜2号機)は停止中(定期検査中)。
株価の推移はこちら。
・PER・・・−−−倍
・PBR・・・0.34倍
・配当利回り・・・1.88%(1株配当10円)
※数値は、2022年4月2日時点
四国電力
次は、四国電力(銘柄コード9507)。
電源構成はこちら(2020年)。
2022年4月2日時点で、稼働している原子力発電所は、伊方発電所(3号機)のみ。
伊方発電所(1〜2号機)は廃止措置中。
株価の推移はこちら。
・PER・・・−−−倍
・PBR・・・0.53倍
・配当利回り・・・3.8%(1株配当30円)
※数値は、2022年4月2日時点
沖縄電力
最後は、沖縄電力(銘柄コード9511)。
電源構成はこちら(2020年)。
沖縄電力は、原子力発電所はありません。
株価の推移はこちら。
・PER・・・44.23倍
・PBR・・・0.47倍
・配当利回り・・・4.34%(1株配当60円)
※数値は、2022年4月2日時点
各電力会社のまとめ(一覧表)
各電力会社のまとめの一覧表はこちら。
銘柄 | 銘柄コード | 株価 | PER | PBR | 配当利回り |
東京電力 | 9501 | 401 | ---倍 | 0.2倍 | 0% |
関西電力 | 9503 | 1147 | 15.76倍 | 0.61倍 | 4.36% |
中部電力 | 9502 | 1266 | ---倍 | 0.47倍 | 3.95% |
中国電力 | 9504 | 855 | ---倍 | 0.49倍 | 4.68% |
九州電力 | 9508 | 825 | 15.6倍 | 0.58倍 | 4.85% |
北海道電力 | 9509 | 486 | 14.26倍 | 0.36倍 | 4.12% |
東北電力 | 9506 | 722 | ---倍 | 0.45倍 | 4.85% |
北陸電力 | 9505 | 531 | ---倍 | 0.34倍 | 1.88% |
四国電力 | 9507 | 789 | ---倍 | 0.53倍 | 3.8% |
沖縄電力 | 9511 | 1383 | 44.23倍 | 0.47倍 | 4.34% |
私が選ぶ投資先〜九州電力がいいかも〜
今回、各電力会社について調べてみたところ、電源構成がどこも石油の割合が少なかったことが新たな発見でした。
最近の株価の低迷は、原油高というより、石炭や天然ガスの価格高による燃料費の上昇の影響が大きいようですね。
今後、減配もあるかもしれません。
電力会社の中で投資してもいいかなと思ったのが、PERなどの指標が良かった九州電力。
配当利回りもそこそこ高いですし、近年増配もしています(2016年5円→2017年15円→2018年20円→2019年30円→2020年35円→2021年35円)。
また、他の電力会社より、原子力発電所が動いていますし、日照時間が長いという地域特性を活かして太陽光発電の割合も多いので、電源構成に安定感があります。
そして、2024年には熊本にTSMCの半導体工場が稼働予定で、半導体の生産には大量の電力を使うため、将来的にも電力需要が高まりそうです。
あと、海外事業に力を入れているのも好印象です(中部電力と関西電力もですが)。
九州電力は投資先としてなかなか良さそうかもしれません^^
※電力会社への投資は、今後日本の原子力発電所をどうするのか、政策で状況が大きく変わる可能性がある点にご留意を。脱原発になった場合、原子力発電の割合が多い電力会社は大きなダメージを受ける恐れがあります。
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