この前、ブルームバーグで面白い記事を読みました。
それは、過去の通貨当局者の言葉遣いを段階的にまとめたもので、為替介入の距離を測るというものでした。
現在、円安がどんどん進んでいますが、いったいどこで為替介入があるのでしょうか。
今日は、このブルームバーグの記事の紹介と、2011年の為替介入の事例についてお話しします。
ブルームバーグの記事〜為替介入への距離測る投資家ガイド、通貨当局者の言葉遣いに注目〜
2022年4月11日のブルームバーグの記事はこちら。
為替介入への距離測る投資家ガイド、通貨当局者の言葉遣いに注目
米国の利上げやロシアのウクライナ侵攻を背景に円安が進み、通貨当局者の発言に注目が集まってきた。言葉遣いによって市場が動くこともあり得る。為替に対する政策当局者の発言の意味合いを、段階ごとにまとめた。
為替が大きく変動した局面における警戒度の強い発言は、最後に為替介入を実施した東日本大震災が発生した2011年当時の表現だ。ただ、政策当局者が言い回しを変える可能性もある。
為替市場への介入の判断は財務省が行い、日銀は財務省からの具体的指示に基づいて介入を実施する。11年の円高阻止を狙った為替介入のほか、1998年には円安是正を目的に日米当局が円買い・ドル売りの協調介入を行った。
変動が多少見られる
- 相場についてはコメントしない
- 市場動向に一喜一憂しない
変動が続く
- 為替相場は安定的に推移するのが望ましい
- 相場は日本経済のファンダメンタルズを反映するのが望ましい
注視し始める
- 市場動向を注視している
- 市場動向を注意深く見守っている
- 市場動向を大きな関心を持って注視している
懸念し始める
- 急激/急速な相場変動は望ましくない
- 経済のファンダメンタルズを反映していない
- 警戒感を持って市場動向を注視する
- 為替の行き過ぎた変動は日本経済に好ましくない/悪影響を与える
懸念が増大
- 相場は経済のファンダメンタルズを反映していない
- 円相場の動きは行き過ぎている/一方的だ
表現を加えて強調
- 「明らか」がよく使用される
- 相場の動きが経済のファンダメンタルズを反映していないことは明らかだ
- 相場の動向は明らかに行き過ぎている/一方的だ
介入への警告
- 投機的な動きは容認できない
- 必要であれば適切な措置を講じる
介入が視野に入る
- 行き過ぎた相場の動きに対してはあらゆる措置を排除しない
- 行き過ぎた/投機的な相場の動きに対しては断固たる措置を取る用意
2015年8月12日以来となる1ドル=125円台を突破した翌日の3月29日、鈴木俊一財務相は「特に急激な変動は望ましくない。最近の円安進行を含め、為替市場の動向や日本経済への影響を緊張感を持って今後ともしっかり注視していかなければならない」と発言した。神田真人財務官はボーコル米財務次官(代行)との会談後、為替の問題も「大きなイシュー」として議論したと記者団に語った。
日本銀行の黒田東彦総裁が5日に「今回の為替相場の変動はやや急」だと答弁した際には、円が買われる場面があった。
上記の記事によれば、為替介入まで、通貨当局者の発言に段階があります。
①変動が多少見られる→②変動が続く→③注視し始める→④懸念し始める→⑤懸念が増大→⑥表現を加えて強調→⑦介入への警告→⑧介入が視野に入る
現在はどの段階なのでしょうか。
鈴木財務相の発言は、2022年3月29日に、「特に急激な変動は望ましくない。最近の円安進行を含め、為替市場の動向や日本経済への影響を緊張感を持って今後ともしっかり注視していかなければならない」。
また、2022年4月12日の閣議後会見で、「最近の円安進行を含め、為替動向や日本経済への影響をしっかりと緊張感を持って注視する」、「為替の安定が重要。特に急激な変動は望ましくない」、「米国等の通貨当局と緊密に意思疎通を図りながら適切に対応したい」。
さらに、2022年4月13日には、「急速な変化は大変に問題である。しっかり緊張感を持って、これからの為替の動向は注視していきたい。」と言っています。
これらのことから、「④懸念し始める」の段階ではないかと思われます(4月13日に、「大変に問題」と言っているので、「⑤懸念が増大」の段階になっているのかもしれませんが)。
上記の発言があったときのドル円の相場は、3月29日と4月12日が125円台、4月13日が126円台だったので、為替介入まではまだ距離がありそうですね。
為替介入まで、まだ5合目といったところでしょう。
私の勝手な予想ですが、ドル円が130円〜135円くらい(135円に近いかも)が為替介入のラインではないかと思っています。
もっとも、アメリカの為替操作国の認定制度等もあり、近年、為替介入の実施にあたってのハードルが上がっていますが。
為替介入はFXで爆益のチャンス!2011年の為替介入を振り返る
為替介入はFXで爆益のチャンスです。
なぜなら、為替介入は一時的な効果しかないからです。
直近の為替介入は、2011年に行われましたが、当時の野田佳彦財務大臣も、2011年7月29日に、為替介入について「一時的に一定の効果ある」と言っています。
あくまでも一時的なのです。
そのため、FXで、為替介入の際にタイミングよく動けば、爆益が期待できます。
では、実際に2011年の為替介入の際(2011年8月5日、2011年10月31日、2011年11月1日〜11月4日)のドル円の動きを見ていきたいと思います。
なお、2011年3月18日のG7による為替介入は、東日本大震災直後への対応という特殊事例なので、抜いております。
※当時は、円高を阻止するための円売り・ドル買い介入なので注意を。
2011年8月5日の為替介入(介入総額4兆5,129億円)
2011年8月5日の為替介入の際のドル円チャートはこちら(古かったので日足チャートです、、、)。
ドル円が、77円くらいだったのが、為替介入で80円を突破しています。
2011年10月31日の為替介入(介入総額8兆722億円)と、2011年11月1日〜11月4日の為替介入(介入総額1兆195億円)
2011年10月31日の為替介入の規模は、前回の約1.9倍です。
2011年10月31日及び2011年11月1日〜11月4日の為替介入の際のドル円チャートはこちら(日足チャート)。
※黄色の線は10月31日の為替介入
10月31日の為替介入では、ドル円が、75.5円付近だったのが、79.5円に上昇しています。
11月1日〜11月4日の為替介入では、4日間で介入総額1兆195億円と少額だったので、ドル円があまり動いていません。
10月31日の為替介入の効果を持続させる程度でした。
2011年の為替介入のまとめ
上記のことから、為替介入があると急激に為替が動きます。
しかしながら、数日経つと、為替介入の効果が切れてしまっています。
このことから、FXで、為替介入で上昇し終わったすぐ後に、ドル円を売りポジションをしていれば、爆益ですね。
理想を言えば、為替介入の前に、ドル円を買いポジションをしておいて、為替介入で上昇し終わったらすぐに決済。それからの売りポジションです。
まあ、どこで為替介入があるのか予想を当てる必要がありますが。
最後に
為替介入は、FXで爆益のチャンスです。
2011年の為替介入の事例を振り返ると簡単に思うかもしれんが、実際には、為替介入でどこまで為替が動くのかなど不安になるので、なかなか難しいです。
今回、2011年の為替介入の事例をお話ししましたが、当時は、円高を阻止するための円売り・ドル買い介入です。
今後あるかもしれない為替介入は、円安を阻止するための円買い・ドル売り介入になります。
2011年とは取るべきポジションが逆になることにご注意下さい。
投資は自己責任、自己判断で!
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